Kagakul Diary
広報担当Tによる日々の業務紹介です。101歳祖母の在宅介護の日常についても綴っています。「広報T介護日記」は広報T個人の記録であって会社の見解ではありませんのでご了承ください。各回ともに写真多数のものはインスタグラムで紹介していますので宜しければインスタフォローもお願いします。
ほぼなんでも食べられるようになった、といってよいかもしれません。一番左上、銀座天龍のあんかけ焼きそばは妙に気に入っていました。
祖母がまだ20前後の頃、銀座の竹葉亭を通りかかり、祖母の父親が「竹葉亭で鰻でも食べて行くか」と言ったところ、そのときはお葬式の帰りだったため、祖母は「お葬式の帰りに贅沢なんて」と父親をたしなめて行かなかったのだそう。そのことがずっと心に残ってたようで、車で銀座を通りがかった時、行けばよかった、父に悪いことをした、と呟いた祖母。この日、外出帰りに竹葉亭のうなぎをお持ち帰りして家で食べてもらいました。80年越しの味を味わうことができて、とても喜んでいました。
祖母がたけのこご飯が食べたいというので、灰汁取りから頑張って作ったのですが、全く喜びませんでした。たぶん、期待した味と違ったのでしょうね。まあ、そんなこともあります。でも、もう2度と作らないと思います。私がへそを曲げたからではなく、我が家的に、投資(手間)対効果(好み/おいしさ)が合わないと思うからです!
胃腸の調子を戻すまでの祖母の食事を支えたものがいくつかあり、一つは飲むヨーグルト(これは今も)、一つは甘酒、もう一つは牛すじです。冷蔵庫に入れるとこのようにコラーゲンが固まります。上澄みの白い脂部分はなるべく取り除きます。ちなみに、祖母は牛すじのことを「牛のブルブル」と言います。
鯛のあら汁、祖母の椀に敢えて大きな骨ごと入れましたが、これまた余裕綽々で完食でございます。骨を取る様子はインスタにあげています。細い身体のどこにこれだけの食事が消えていくのか・・・。
娘の中学校で配られた紅白まんじゅうを食べた祖母が「まんじゅうのなかのまんじゅう」と絶賛した東京・豊島区の和菓子屋さん「福島家」に出向き、似たおまんじゅうを買ってきました。もちろん余裕の完食。蒸し立てで食べたら美味しいのでしょうね。
祖母を連れてスーパーへ。車でスーパーまで行き、駐車場からは車椅子。車椅子のお出かけ2回目です。「スーパー行くのは、どれくらいぶりなの?」と聞いたら、10年ぶりくらいかなあ?とのこと。(実際はたぶんもっと行っていないのではないかと思われます。)大きいスーパーで、目をキョロキョロさせていました!
在宅介護開始1ヶ月超、祖母の食事はついに刺身(なまもの)デビュー。全然余裕でした。お刺身は大好きみたいです。ついでにコロッケも丸一個食べられることが判明。(揚げ物は控えるべきかと半分にしていたのですが、遠慮は無用でした。)
100歳にしてはよく食べると褒めて(?)いただくことが多い食事を連投してみます。
101歳の祖母が我が家に来た日(1ヶ月前の3月20日)、車椅子で散歩できたらいいなという思いが頭をかすめはしましたが、本人の気力的にも体力的にも、とてもそのようなことができる状態ではありませんでした。順調に回復し、1ヶ月後のこの日、うららかな春の日差しの下、こうしてお散歩することができ、とても嬉しい一日でした。
頭をしっかり働かせてもらうには色々なアプローチがありますが、シンプルなのは、直立姿勢(座位で可)時間を長くして、脳を使ってもらうこと。そのためには長年染みついた文字を書いてもらうことはとても取り組みやすい活動です。祖母の場合、なんにせよ結局食べることに帰結しているのですが・・・
いつの間にか、背もたれがなくても、一定時間座れるようになってきました!(食べ物のことを考えているせいもあるかもしれませんが・・・)在宅介護開始約1ヶ月、101歳成長中。
祖母のモーニングルーティン:朝起きて、ポータブルトイレに行ってもらい、水分を一口飲んだら、そのあとに飲んでもらうようにしてもらっているもの、それは甘酒です。甘酒は発酵食品ですし、ブドウ糖、ビタミンB群、食物繊維などの栄養も豊富です。私自身甘酒があまり好みではなかったのですが、東京科学大学の正門側、神田明神の鳥居の脇にある「天野屋」さんの甘酒だけは好きで、ここでパックタイプのものを買って祖母にも飲んでもらっています。
インスタのほうに動画を掲載していますが、祖母に、仰臥位から体をひねってうつ伏せになってみてとお願いするとこのようになります。上肢は非常によく動くのですが、そのことがかえって、腰から下の動きをさらに鈍らせているように思います。(大腿骨を)骨折したからこの癖が現れたのではなくて、こういう癖があったがゆえに、骨折も起こり得たのでしょう。もっと脳と足腰のコミュニケーションを活発にしてもらわなくては!
101歳の祖母ですが、思った以上に食欲があって驚かされます(写真の量を完食できます)。食べたものは一体どこに行っているのだろうか!体格としては、非常に細いので・・・
祖母はさつまいもが大好きです。この日は浅草にある「千葉屋」さんの大学芋を食べました。
自宅で介護を始めて21日目、インスタのほうには動画をアップしましたが、だいぶ安定して四つ這いの移動とソファへの座りができるようになりました!101歳でもおおいに成長するものですね。
子供の学校の弁当作りが再開しました。中学生用と101歳用、別にお弁当を用意する余裕がないので、誰もが共通して食べられそうなレシピを探したところ、笠原将弘さんの鶏そぼろ弁当を見つけました。これがまたとてもおいしくて、1回分を作ると、祖母と上の子供用だけでなく、私のお弁当や、もう一人の子供の塾前のおやつ分もまかなうことができています。調味料の配合が神業的に素晴らしく、何かレシピを見るときに調味料の量は自己流に変更してしまうことが多い私が、このレシピだけは忠実に作っています。菜箸を3本使うとか、そういったちょっとしたコツによっても、仕上がりが全然違うものなのですね。
祖母がポータブルトイレに行く様子を観察していると、いろいろな課題が見えてきます。背骨まわりの筋肉が硬い、お尻と腿の筋肉が少ない、足裏が硬い等。私が徒手で祖母の足底筋膜を緩めてあげると気持ち良さそうにします。マッサージボールを渡して「自分でやってみたら?」と促すと、気持ちいいと言いながらやっていました。やはり昨年骨折した左側のほうが特に硬いようです。
えーっ!?これには子供たちもびっくり。子供「卵なんてあったの?さつまいも食べてたんじゃないの?」祖母「家で、鶏、飼ってただよ。」
なるほど〜!産んでしまえばこちらのものというわけですね。ちなみに祖母のもう一つの口ぐせは、「ワンダフル」です。使い方としては、「ワンダフル嬉しい」「ワンダフル美味しい」のように言っています。独特。
今日もカガクル看護師来訪の日。毎度おなじみバイタル測定。
1ヶ月前まで祖母は高血圧だったので、私は血圧測定のたびに少し緊張。先月半ばに我が家に引っ越してきて以来、こうして訪問看護の度にバイタルを測定してもらっていますが、おかげさまで今回も順調。本当に高血圧だったのかな?と思ってしまうほど。
測定後は清拭をしていただきました!テキパキとからだを拭いていただいて、とっても気持ちよさそうでした。
祖母がある程度元気になってきたので、食事を用意する側もわりと自由度が出てきました。
写真上の段→左から順に、朝ごはんに土鍋でむした蒸しパン、普通の和食(鱈の蒸し焼き、揚げ出し豆腐、牛すじ煮込み、漬物、ごはん)、東京科学大学ご近所、神田志乃多寿司のお稲荷さんと茶巾ずし、
写真下の段→サーモンとほうれん草のパイ包み、東京科学大学ご近所、近江屋洋菓子店のショートケーキ。どれも完食で、半月ほど前の健康状態は考えられないくらいの進歩です。
食事中の祖母の様子をインスタにアップしました!ドヤ顔をお見せできないのが残念です。
祖母の場合は、牛の骨を煮だしたスープや、牛すじの煮込みを食べると、身体の動きが格段によくなります。鶏や豚、魚のあらなど、いろいろスープにして試していますが、牛すじ/骨は「食べたら翌日違う」くらいの即効性があります。祖母自身もその効果をよくわかっているようです。
祖母は長年にわたる夜型生活の習慣の名残があり、このころ私は、夜間、祖母のたてる物音やトイレの呼び出し!?で眠れない日々が続いていました。(そのツケは、この約1週間後にやってくることになります。)
一方、子供達にとっても、まるで我が家に新しい赤ちゃんが来たようなところもあり、祖母が来て約2週間が経ち、環境変化に対する戸惑いの蓄積マックスの時期だったかなと思います。夕食どき、子供二人を連れてご近所のカレー屋さんに息抜きに行きました。その間、祖母は私の母が見てくれました。息抜き、大事。
この日は、我らがカガクル訪問看護ステーションのK看護師に来ていただきました。目線を合わせてゆっくりと優しく大きな声で話していただけるので、祖母もよく理解できている様子です。この日の血圧は127、58。我が家に来て12日目。降圧剤を飲まずこの血圧を維持できているとは、1ヶ月前には想像できませんでした。バイタルチェックのあと口腔ケアをしていただき、祖母はとても気持ち良さそうにしていました。ケアの後は一段表情も明るくなりました。口腔ケアは食に直結しますのでありがたいです。
在宅介護開始7日目から、食事どきは布団から椅子に移動して食べてもらうようにしていたのですが、その数日祖母はどう移動していたかというと、「私が支えながら布団から立ち、一緒に歩いて、椅子に座ってもらう」ということをしていました。
しかし、よく考えてみたら祖母は、“立つ”ための基本ができていません。それなのに私が介助しつつ歩く真似をするなんて、まるで算数の足し算や引き算ができない人に分数や方程式を教えようとしているようなもの。仮に祖母の体力が今より回復し、一時的になんとか立てた/歩けたとしても、基礎ができていないことには、いずれ転倒してしまうであろうことは目に見えていました。
そこで、急がば回れ、基本をしっかりやってもらおうと思いなおしました。試しに祖母に「食事のところまで、自分で移動してみてくれる?」とお願いすると、写真のBeforeのように、手の力を駆使して前進していて、ほとんど背骨が動いていませんでした。やっぱりそうか…と思いました。祖母はきっと日常的にこのように移動してきたのだと思います。この方法だと、背骨のしなりが出ないし、足の裏もほとんど使いません。これでは、いつまでたっても安全に立てるようにはならないでしょう。
そこで、この日からは、afterのように四つ這いで移動してもらうことにしました。四つ這いから座位になる瞬間、および、座位から四つ這いに戻る瞬間は、リスクが高いので私が介助する形でのスタートです。3食の食事どきに、往復四つ這いで移動してもらって、少しずつ背骨や足裏の柔らかさを獲得するきっかけにしてもらえたらと思っています。祖母が移動する様子の動画はインスタに載せています。
週末、祖母の体に良さそうなもの、食べられそうなものを求めて買い出しに出ます。これがこの日の買い出し総量です。今回は、我が家の行きつけ、湯島天神の裏手にある「つる瀬」の草団子とみたらし団子を購入。お餅…大丈夫かな〜と思いつつ、本人の希望に従い、串から外して、草団子を一個半、みたらしを一個半食べました。全部で団子三個、おやつとしては十分でしょう!
祖母が我が家に来ることになり、こういう朝ごはんはしばらくお預けかなぁと内心思っていたのですが、10日もしないうちに実現。写真は祖母が食べた(食べきった)量です。食べる直前に小さくカットしてあげましたが、まずはこういうビジュアルで見たいかなと思い、敢えてこの形で。子供達も、いつもの休日朝食を食べることができてとても嬉しそうでした。胃腸の調子が早くに戻ってくれて、本人はもちろん、同居する私たちも助かりました。
レシピは栗原はるみさんのもの。ただし卵白と卵黄に分けずいっぺんに混ぜています。そうすると「ふわふわ」にはならず、薄くしあがるのですが、それをたくさん重ねて生クリーム(植物性のホイップクリームではなく生クリームにします)とジャムをたっぷり載せるのが我が家の定番です。
祖母が来て9日目。ついに揚げ物にトライ。人形町にある有名なすき焼きやさん「今半」のすき焼きコロッケをテイクアウト。自宅オーブンで加熱すると、サクサク感を取り戻すことができてとても美味しいですよ!半分ほど、夕飯に食べた祖母。胃腸まったく問題なし。おめでとう。写真はこの日1日の祖母の3食で、すべて完食しています。朝食のソーセージは生協が扱う鎌倉ハムのもの。材料は豚肉と豚脂、塩、砂糖、香辛料のみとシンプルで、加工品を控えている人にもおすすめです。
祖母が「これならいくらでも飲める」と豪語する飲みもの、それはセブンイレブンの「のむヨーグルトこくうまプレーン」(セブンの飲むヨーグルトの一番おおきいやつ)です。1日3本らくらく飲めます。材料は、生乳、乳製品、三温糖のみと大変シンプル。3食しっかり食べて、これ3本飲めるんだから、すごいなあ。
「私ね、おばあちゃんが今より動ける身体になれるような指導はできるけど、“動ける、ボケてる”は周りが困るよ。アタマも一緒に鍛えようね」と言ったら、笑って「そら、そうだね〜」と共感してくれた祖母。自他共に認める食いしん坊、食べることが大得意なので、食事にかこつけて身体や脳の機能回復を促すための+αをするのが一番継続しやすいのではと思っています。
時間感覚がごっちゃになってしまう(いつのことだかわからなくなってしまう)傾向があるので、毎朝、朝食後、その日の曜日と天気、気分が乗ればその日の予定も書いてもらっています(何時に看護師さんがくる、ケアマネさんがくる等)。インスタに動画も載せました。
今日は東京在宅ケアクリニックより若松看護師に来ていただきました。血圧を測っていただいて(上が117、下が70に!快挙です)、テキパキと処置をしてくださって、本人も家族も心強かったです。病院であれ、在宅医療であれ、医療者に診ていただくのは患者ひとり分。ですが、在宅の場合、自分の家という空間でリラックスしているからなのか、医療者の方のお人柄や、さまざまなアドバイスが、患者本人だけでなく、家族の心にもよく響くように思いました。
平日夜、小学生の子供と社会(歴史分野)のテキスト音読をしているのですが、飛び入りで祖母にも加わってもらいました。内容は明治維新。私としては祖母が女学生だった頃(当時からすると)直近の歴史ってどんなふうに習ってたんだろうという興味があったのですが、祖母曰く「わたしゃねぇ、あんまりそういうことは真面目に勉強してなかっただよぉ〜」メガネをかけて一生懸命教科書を追っていてエライ!!
祖母の在宅生活を開始して以来、本人の希望で床に布団の生活(施設ではベッド)。食事も布団にちゃぶ台を近づけて布団に座りながらの食事。さらに排泄はオムツにしていました。
布団+オムツ生活だと、身体を動かす機会がとても少なくなってしまうことを懸念しました。そこで、本人の尿や便が正常化(=消化器官の基本が整った)したことをきっかけに、在宅7日目から、少しずつ運動を増やしてみることに。
本人は食べることが何より楽しみなので、この日から、食事の機会を活用して、私の介助つきで、布団から立ち、歩き、座るまでをサポートし、椅子に座位で食事してもらうことを始めました。視座が高くなるので、視界に入るものが増え、食事時間における脳への刺激が増えました。子供たち(祖母からすると、ひ孫)とのコミュニケーションが少しずつ始まりました。
今日は祖母のかかりつけ医である東京在宅ケアクリニック訪問診療の日。
東京在宅ケアクリニックは、国立大学法人東京科学大学敷地内、お茶の水医学会館5階にあります。私が祖母を自宅に呼びたいけれども右も左もわからなかったとき、何を、どのような順番で、どうすればよいか、豊富な実績に基づいて丁寧に教えてくださいました。祖母が平穏無事に東京に引っ越してくることができ、速やかに在宅生活に入ることができたのは、こちらのクリニックのご指南のおかげといっても過言ではありません。
この日は、看護師による心電図と血液検査のあと、吉田院長による診察。祖母は偶然にも旧姓が院長と一緒(!)で、実家も嫁ぎ先も内科医で子供のころから往診が身近だったせいか、終始リラックス。私は、先生がお帰りになる際に(先生のPC上に)すでに検査結果が出ていたことに驚きました。在宅医療でも病院と同じようなスピード感で検査ができるのですね。「100歳超えてアルブミン(血漿中の主なタンパク質)の値がこれだけあるのは大したものですよ」と褒めていただきました。
祖母は3食このような食事をほぼ残さず自力で食べています。ごはん量は写真のとおり80gが丁度良いよう。(100gだと多い。)作り手として心がけていることは、
・スープ類は、和風なら煮干しまたは昆布と鰹節、洋風なら骨付きの鶏や牛、豚かたまり肉から直接出汁をとる。
・固体の肉の摂取は、今のところまだ避ける。
・発酵食品をまめに摂る。
発酵食品は、食事どきに「漬物」、間食については写真はありませんが「飲むヨーグルト」と「甘酒」を毎日必ず摂ってもらっています。人間の生きる力は素晴らしいもので、5日〜7日経ったころから基本的に祖母の消化器官の流れは整った(=通常便が毎日ないし2日に1回は出る)ように思います。血圧が正常に戻ったことも嬉しいことです。思い起こせば、我が家に来て2日目の夜は大変でした。弱っていた消化器官に食べものが通る痛みで「神様助けてください」をうわごとのように繰り返した祖母。私が「大丈夫?」と話しかけると、祖母曰く「よくあることだから大丈夫」。その後みるみる体調が回復、痛みも消え、夜も元気溌剌、暗闇で部屋中のものを動かし放題、一人お祭り状態の祖母がたてる物音に、今度は私のほうが毎晩眠れず「神様助けてください」状態に陥りました。
小学生の子供と一緒に漢字の書き取りをしてもらいました。30問中17問正解。書けた漢字:奮い立って、明らかに、延びる、異にする、寄せる、確か、勇ましい etc… なかなかに宜しいのではないでしょうか!本人曰く「参加することに意義がある」そのとおりです。
水分をまめに摂るようにしてもらったところ、尿のにおいがきつかったのが3日目でなくなりました。正直なところ、においの強さはおむつ替えをする私にもストレスでした。年齢が年齢だけにしかたないか…と思っていたのですが、3日で変化して驚きました。祖母に聞いてみたら、それまでは(遠慮があって)排泄をできる限り我慢していたようです。どうりで臭うはずです。排泄を恐れると水分摂取も控えてしまうので、全ての流れが悪くなってしまい、悪循環だったと思います。
また、5日目で便が正常になりました。それまでは下剤を飲んでいたので下痢状の便だったのですが、5日目以降から健康的な便になっています。これは食物繊維と発酵食品をせっせと摂ったことが大きいと思っています。本人曰く、食事量は以前の2倍は摂るようになっているとのこと。
さらに、これはあらためて後述しますが、7日目で看護師さんに血圧をはかっていただいたら超健康的な値(上117、下70)に!おばあちゃんすごい!と思わず私が叫んでしまいました。何歳であっても体はちゃんと反応することがわかって感動しました。
食事が何より楽しみな祖母。目的あればこそ頑張れるということで、我が家に引っ越してきて初めの1週間は、祖母の布団の近くにちゃぶ台を持っていき、祖母に自力で布団からちゃぶ台のフチまでズリズリと来てもらって家族一緒に食事を摂る方式。弱っている今は、まずは基本的に栄養摂取に注力し、運動は二の次。この一週間、祖母が行っていた運動は基本的にこの食卓までのズリズリ運動だけだったと思います。それにしても、自分が食べる分以外の食べ物も並んでいる食卓って、なんだか幸せな感じがしませんか?ちなみにこの食卓に載っているパンは、浅草にある「パンのペリカン」のものです。素朴な材料で祖母でも食べられる優しい味。予約必須のお店です。
シンプルな焼き魚がずっと食べたかった祖母。築地の場外市場に「築地わたなべ」という、天然もののみ扱う魚屋さん(貝類が一番の専門)があります。そこで祖母の生まれ故郷である石川県のイワシを購入し、その日のうちに焼き魚にしました。私が持ち帰ったぴっかぴかの魚を見て目を輝かせた祖母の一言はなんと「ちゅうしたい」。焼き魚は自分で器用に骨を外して完食していました。小骨もどんどん食べてしまうので止めようとしたら、コブシのきいた低い声で「このくらい、食べられます」。
我が家に引っ越して2日目の朝食風景。食事は祖母がもっとも生き生きする時間です。汁物の類は、概ね確実に祖母が吸収できるものなので、和食であれ洋食であれなるべくよいものであるよう工夫しています(後述しますが、3日目、5日目で確実に変化が出ました)。といっても、家事や育児、仕事がある中で、毎回、昆布かつお出汁やブイヨンをつくる時間はありません。そこで、最も簡単で、祖母も満足してくれるのが「三年ものの煮干し」出汁であることを発見しました。築地場外にある「寿屋商店」では、1年ものの煮干しと3年ものの煮干しが売っており、その差三百円。煮干しのまま食べても私は利きわけられないのですが、お味噌汁にしたときに格段に滋味深くなり美味しいのが三年ものです。子供達もその違いがわかりました。ちなみに祖母は、味噌汁にしたときはもちろんのこと、煮干しのまま口に含んでも違いがすぐにわかり、三年もののほうを気に入っていました。にんまり笑って「オババはオババが好き」だそう。
銀鱈の西京漬、なすのこうじ漬、ほうれん草ごま和え、豆腐とわかめとネギの味噌汁(鰹と昆布出汁)、写真には写っていませんがご飯です。私が介助しなくても自力で食べてくれるのでありがたいです。魚の骨も器用にはずします。食欲旺盛で、いつも入れ歯を入れるよりか先に食べ始めてしまう!
自宅に着いて最初のおやつは、デーツに上新粉(もち米より粘り気が少ない)を少量挟んで土鍋で蒸したものにしました。祖母は骨粗しょう症です。身体という構造物がもろくなっている。まずはエネルギーを潤沢に供給し続けなければ、体内の工場は増築しようとはしません。一方、消化機能が弱っているので、いきなりタンパク質をたくさん摂ることができません。そこでまずは、最も小さな糖分子であるブドウ糖や果糖が豊富なものをマメに摂取してもらいたいと思っています。デーツはミネラルも豊富です。子供達はデーツが苦手なので、ただの上新粉を蒸したものにしました。
移動は民間救急車でした。最初は新幹線かな?とも考えたのですが、東京で祖母がお世話になる東京在宅ケアクリニックの方から、新幹線乗車前の待機時間に外気に当たるので、今回の祖母の場合は、民間救急車がよりよいのではないかとのアドバイスをいただき利用することにしました。
民間救急車は、ストレッチャーのままで移動することができ、患者さんの容体に応じて救命救急士さんや看護師さんなど医療者の方が同乗してくださいます。車の移動距離に応じて費用が変わるので、なるべく到着地(もしくは出発地)近くの事業者さんにご依頼するのがよいようです。私の場合は到着地が東京だったので、まず公益財団法人東京防災救急協会/東京民間救急コールセンターに電話して、到着地近くの事業者さんを紹介していただきました。
約180kmの道程、高速に乗って、途中休憩時間込みで、3時間半。移動中の軽食は梅干おにぎり、甘酒、緑茶を用意、途中のサービスエリアでいただきました。
自宅で101歳の祖母の介護をすることになりました。祖母を迎えにいく新幹線の中で読んだ「介護の生理学」(竹内孝仁著/秀和システム出版)すばらしい本で、これから介護をする上でとても参考になりました。インスタに載せていますが、乗った新幹線がディズニー仕様でびっくり!車内放送のジングルまでディズニー。メロディを聴きながら、これから祖母とも楽しい時間が過ごせるとよいなと思いました。
弊社の公式キャラクター「カガクルさん」は、科学(カガク)と看護(カンゴ)と介護(カイゴ)が家にやって来る(クル)に由来しています。手作りのカガクルさんを運搬していたところ、小学生のお子さんから「タコみたい!」との感想をいただきました。
少し前になりますが、カガクル訪問看護ステーション高井戸及び隣接するホームステーションらいふ高井戸に、韓国ソウル国立大学の研究者ご一行様がいらっしゃいました。熱心にご見学いただき、多数の質問を頂戴しました。ホームステーションらいふ高井戸 村上施設長(当時)および弊社取締役の野口麻衣子准教授が対応しました。
2025年2月10日および22日、高井戸地域区民センターにて、健康相談会を開催しました。カガクル看護師による健康相談、体組成計測と運動指導を実施しました。ご来場くださった皆さま、ありがとうございました。